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| 「姉歯建築設計事務所による構造計算書偽造事件」緊急特別号 「構造計算書偽造事件について」 佐藤淳構造設計事務所 佐藤 淳さん |
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この事件に関連して、様々な憶測が飛び交っているようです。専門家の見解の中にも偏見に満ちたものが多く聞かれます。過熱気味の報道に、不安をあおられている住民の方々も多いのではないかと思います。 重責を負う構造設計者からの見解は精査されて発するべきとは思いますが、早急に、構造設計の考え方にも多様性があることを知っておいていただかなければ、自分が住む建物が危険なのではないかといった大きな誤解を招くと感じます。 これは私の個人的な見解であり、多様な考え方のひとつでしかありませんが、少しでも参考になればと思います。 |
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認定ソフトウェアの危険性 |
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構造計算の認定ソフトウェアが話題になっていますが、構造計算の方法として、 1.認定ソフトウェアを使う方法 2.認定ではないが、ソフトウェア会社が開発したものを使う方法 3.自分でソフトウェアを作成して使う方法 4.コンピューターを使わず、手計算(電卓含む)する方法 などがあります。従って、必ずしも認定ソフトウェアを使うとは限りません。 認定ソフトウェアは、構造計算の知識が充分でなくても使えるほど便利なもので、その安心さゆえに審査のときにチェックが簡単にできるようになっています。 この事件は、こういう認定ソフトウェアを過信するあまり拡大したということも言えると思います。 にも関わらず、一部で、認定ソフトウェアしか認めなくしたほうがよいなどと、全く逆の見解も出されているようです。 これは言語道断であり、認定ソフトウェアしか認めないことは、日常の業務の中で構造設計者が自分で計算することがなくなることに繋がります。2〜4の方法で計算を行なう構造設計者は、認定ソフトウェアを使う必要がない充分な知識を持っているので2〜4の方法を採っているのですが、こういった構造設計者がいなくなることは、全国的な構造設計者の質を低下させることになります。 私の事務所は、認定ソフトウェアを使わず、独自の計算ソフトウェアを作成して使用している、数少ない事務所です。 確認申請においては認定ソフトウェアでないということで、より厳しい審査を受けています。 それでも、構造設計者のほうが審査官よりも知っていることも多いですから、認定ソフトウェアでは計算しない特殊なことを自主的に計算して安全性を確かめたりもするのです。多くの構造設計者はこれに近い緊張感を持って設計をしていると思います。 |
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偏った報道 |
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私の得た情報から察する限り、この事件は、正しい”構造計算書”なら記載,添付されるべきものがない、ということに審査で気付かなかった、という単純なミスで拡大しているように思います。 |
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偽造が発生した社会的状況 |
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どんな理由であれ偽造が許せるものではないのは当然です。それが起きた社会的状況も見直さなければならないと思います。 最大の問題は、不十分な設計料,不十分な設計期間だと思います。法的に定められている算出方法に従った設計料を貰えることはまずなく、その1/2〜1/3といった額が一般的になってしまっています。このため充分な人員を配すことができず、 1.不十分な設計期間にも関わらずコストダウンを強いられる 2.仕事を増やさないと経営してゆけない 3.設計ミスを犯す 4.現場監理に目が行き届かない などという状況になっています。 これは、今に限らずずっと叫ばれ続けていることですが、ずっと見て見ぬふりをされてきました。 このままチェック体制だけ強化されても、 負担が大きくなる設計者にはついてゆけなくなってしまいます。 もはや、この本質に目をつぶっては何も解決しないと感じています。 |
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2005.11.22 佐藤淳構造設計事務所 佐藤 淳 |
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